★「小説の惑星ノーザンブルーベリー篇」(伊坂幸太郎)

アラクローズ2

2022年09月25日 06:56


●伊坂幸太郎さんがオススメする短編小説を集めたアンソロジーの2作目。
(「普段、小説を読まない人」向け)
 特に前篇、後篇、1巻、2巻としなかったのには意味はないようだ。
「百点満点中、五万点」くらいの作品だけを集めたとも対談で語っていた。

●前回読んだ「ラズベリー篇」と同様に、
 終わりにで、各短編ごとの解説(かなり熱く書いている)があるので、一つ読み終わると、後ろの解説を読む感じで読み進めた。


●相変わらずマニアック(作家受けする?)な作品が多い気がした。
 どれも少しおかしみがあって、不思議と笑える、だけどちょっと奇妙、とか不安になる、みたいな話があった。
 次の2作品が自分は印象に残った。

(1)「工夫の減さん」(町田康)
  節約して(工夫して)貯金をして、そのストレスからお酒を飲みに行って発散して結局お金を使ってしまう減さん。
 その飲み友達の男性視点で書かれた短編。
 ちょっと悲しい結末ではあるけれど、どこかにありそうな話で面白かった。
 
(2)「煙の殺意」(泡坂妻夫)
  ホテル大火災の現場中継をテレビで見ながら、小さなアパートの殺人事件を捜査しているベテラン刑事。
 全く関係がないような2つの事件(事故)が最後に繋がっていく過程に驚かされた。

●あと、教科書とかに載っている?有名な「杜子春」(芥川龍之介)も、この作品の後日譚?を書いた作品の前に収録されていて初めて読めたのは良かった。

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